利爺は仲間内で
沖縄方言の挨拶言葉「ハイサイ」を使っていることが多い。
「ハイサイ」は
「おはよう」「こんにちは」「こんばんわ」とは異なり、
使う時間を気にする必要のない「ハーイ」や「ハロー」に近い、
気軽に使える挨拶言葉である。
朝・昼・晩「ハイサイ」の一言で済む。
昔からの挨拶言葉であるが、
方言を使うことが少なくなった近年の沖縄では、耳にするのも少なくなっている。
「ハイサイ」は男性用語で
女性の方は「ハイタイ」になる。
3月29日(火)の県紙「沖縄タイムス」に

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公の場所で方言の挨拶「ハイサイ」を使う
「那覇市ハイサイ運動」
を4月1日から始めるという記事がみられた。
方言で挨拶する主旨は
伝統文化を支えるウチナーグチの普及拡大にあり、県内初めてという。
【注】記事中の方言
「ウチナーグチ」
ウチナー
グチ
「ハイサイ」
「イッペー」
「ニフェーデービル」
= 沖縄方言
= 沖縄
= 口(くち)
= 上記
= いっぱい、大変、非常に
= 二拝して侍る(はべる)
= ありがとうございます
先日、国保の切り替えで市役所の窓口に行った時点では
方言の「ハイサイ」はなかったのではと思っている。
「ハイサイ」が
沖縄方言の挨拶言葉とは知らない他府県の方は多いだろう。
県内の若い世代にとっても
ほとんど使わない「死語」に近いと言ってもいいかも知れない。
しかし方言の「ハイサイ」は知らなくても
テレビで使われた志村けんの「変なオジサン」は全国のほとんどの方が知っているだろう。
歌詞の「変なおじさん」は
沖縄の歌(新作の沖縄民謡)の替え歌で
NHKの紅白歌合戦で「花〜すべての人の心に花を〜」を披露した
県出身のミュージシャン「喜納昌吉&チャンプルーズ」の
喜納が高校生の頃に作った「ハイサイおじさん」が元歌になっている。
高校野球の応援歌にも使われた歌でもある。
「那覇市ハイサイ運動」の開始段階で
急に「ハイサイ」と挨拶されたら、戸惑う方が多いだろう。
方言を理解する利爺でも一瞬躊躇してしまうだろう。
「挨拶」の意味を辞書で確認すると
『人と会ったとき取りかわす儀礼的な動作・言葉』
と説明されている。
挨拶は相互の関係によって成り立っているものと思っている。
その運動によって
「ハイサイ」 → 「ハイサイ」「こんにちは」
と最初はぎこちなくても応対返事があれば
目的とする主旨はうまくいっていると見ていいだろう。
引用した上記の記事を読んだ方には
@伝統文化を支えるウチナーグチの普及拡大が主体となっている。
A公の立場にある窓口での対応の改善として方言の挨拶「ハイサイ」を使う。
内容に異なる捉え方があるだろう。
個人的には公の窓口は苦手である。
公務員は力を元に押し付けが強いというイメージを持っている。
そのようなイメージのため、
窓口に行くと、どうしても構えてしまう。
市としても長い年月をかけて
適切で明確に・親切な業務にと
相互信頼へ向けて業務の改善を進めてきたが
大方の市民は
窓口はワジャンカー(仏頂顔)でしか対応してくれないと
潜在的な意識として持っているのではないだろうか。
潜在的に持っている意識はなかなか変わらないもので、
両者の意識が信頼に変わらない限り、お互いの間隔は縮まらないのでは。
今回の「那覇市ハイサイ運動」は
方言の使用の普及という位置付けだけではなく
「窓口」と「市民」の協調関係も意味していると
捉えるのは、利爺だけではないと思っている
県内ではほとんど方言を使う環境では無くなってきているが
方言を卑下することなく、
「ハイサイ」には「ハイサイ」「ハイタイ」「こんにちは」
「ニフェーデービル」には「ご苦労さん」「がんばって」
と方言と標準語が混じっていても気にすることなく
挨拶が気楽にできる地域になることを。
かの童謡詩人・金子みすずの
「遊ぼう」っていうと
「遊ぼう」っていう。
…
…
こだまでしょうか、
いいえ、誰でも。
『こだまでしょうか』
のような
「優しい気遣いのある市民(県民)のための窓口」
「方言文化を大切にする那覇市(沖縄県)・那覇市民(沖縄県民)」
環境・生活圏が築かれるだろう。